意義と波及効果(1)

1.ボランティアコーディネーション力検定システム完成
~その意義と波及効果は?~

■広げること、深めることはできたか?

検定・認定システムを創設した背景は、「本検定が目指すもの」で紹介したので、ここでは割愛します。検定のねらいは、「ボランティアの価値を理解し、ボランティアコーディネーションの知識とスキルを身につけた人材」を広く養成すること。まず、3級は基礎的な知識の理解を目的としており、さまざまな分野、組織、立場の方々に広がることを願いました。下図の三角形の底辺をなるべく広くしたいということです。

検定と認定の図_検定WEB掲載用

2012年12月20日現在、3級合格者は1449人。
その分野・所属は、社会福祉協議会、福祉施設、病院、中間支援組織、学校、行政、企業、学生、様々な分野のNPOと実に多岐にわたっています(「受験者の所属」参照)。分野を超えて、ボランティア(市民)の参画やコーディネーション力についての共通理解を広げたいという目的は、おおむね達成できているのではないかと思います。

では、2級と1級での「深める」はどうだったでしょうか。次の表は、各級の検定内容を示したものです。

naiyou

2級では事例検討等の演習と記述式試験を含め、1級ではさらに企画・開発などの演習やその評価も加えています。単に知識として理解しているだけでなく、実践で応用できる力をもつ方々の養成を目指しています。2級合格者は221人、1級は21人とまだまだ少数ですが、「深めていく」という点で丁寧に取り組みたいところです。

■検定は、何をどう変えたのか? ~個人編

では、受けられた方にとって、検定はどのような意味を持っていたのでしょうか? HPにあがっている「合格者の声」から拾ってみたいと思います。

まず、3級では・・・

  • 被災地でのボランティア活動中に疑問に感じたことを解消することができた。
  • 改めて、「ボランティアとは何か」を言葉にして理解することができた。
  • 頭ではわかっていることを、自分が思っているだけではなく、人に伝えられるようになった。
  • これまで自分の経験知に頼って仕事をしてきた。検定を受けて初めて体系的に整理することができた。
  • テキストの事例は、職場での悩み、課題と重なっており、その解決プロセスが大きなヒントになった。
  • 現状のボランティアプログラムについて、批判的視点と改善のポイントを学んだ。

「疑問解消」「言葉にできる」「体系化」「改善のヒント」といったキーワードが浮かび上がってきます。

2級では・・・

  • 研修では、各地で活躍するコーディネーターと直に情報交換、意見交換できて貴重な機会だった。
  • 団体の運営相談に乗るときにとても役立っている。
  • 被災地ボランティアセンターで、2級検定取得者ということで信頼され、業務の引き継ぎをしてもらえた。

検定が日々の実践のレベルアップにつながっていることがうかがえます。ボランティアコーディネーション力検定のねらいは、まさにそこにあります。

■検定は所属団体にどのような影響を与えたか?

検定取得は個人に属することですが、そのことが職場(団体)全体に影響を与えているということもわかってきました。「合格者の声」には次のような報告があります。

  • 検定受験をきっかけに職員同士でボランティアとの協働について真剣に話し合い、次年度の事業改善を行った。
  • ボランティアについて複数の職員間の共通理解を図る上で、検定が大変効果的だった。

ボランティアの考え方について共通の拠り所があると、職員間の連携や事業開発がしやすくなることから、本検定を職員研修の一環に組み入れている組織も増えてきています。本コーナーでは、(東京)北区社会福祉協議会、またHPではNPO法人ユースビジョン京エコロジーセンターなどの取組みが紹介されています。

■コーディネーターの待遇改善にも

この他、検定に合格された会員の方々から以下のようなエピソードも寄せられています。

  • 合格証のコピーを職場に提出したら、専門性が理解されて時給が少しアップした(病院)。
  • アルバイト募集の面接で検定のことを話したら、「正職員で」と言われた。

時給アップについては、次ページで北区社会福祉協議会の例も紹介されています。また、共働のまち大野城北コミでは、職員採用の基準にされていることが報告されています。

■ボランティアコーディネーターの専門性を可視化

こうした事実を見ると、検定は受験した個人が力をつけるだけではなく、「ボランティアコーディネーション」という役割・業務、「ボランティアコーディネーター」という存在やその専門性を、職場や社会の中で可視化していくという効果があることがわかってきました。「検定」というしくみ自体が、社会の中でさまざまな波及効果をもたらしていくことが考えられます。
その一例として、3ページで中央共同募金会が創設した「災害ボランティア・NPO活動サポート募金」(以後、ボラサポ)で初めて人件費への配分が可能になった要因の一つに本検定の存在があったことが紹介されています。
このように、「検定」という仕組みによって、個人が力をつけ、職場(団体)の仕事の質があがり、ボランティアコーディネーターの存在が可視化されることで、市民社会の構築が進んでいくよう、今後も検定内容の充実を図っていきたいと思います。

※検定合格による効果などについて、ぜひ事務局まで情報をお寄せください。

ボランティアコーディネーション力検定&認定ボランティアコーディネーターシステム
システム化検討委員会 委員長 筒井のり子

 

next

TOP